コラム

オスグット・シュラッター病について

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こんにちは

北海道の筋膜研究家 兼 筋膜調整セラピスト

北海道の理学療法士_カズ です.

以前旧ブログにて書かせていただいた内容ですが..
本日はオスグット・シュラッター病について再度紹介したいと思います.

 


 

小中学生のスポーツ選手で一番多い “オスグッド病“

 

私は,サッカー協会のフィジオトレーナーとして北海道選抜やナショナルトレセンの小学生に対して、そしてクラブチームの専属トレーナーとして中学生年代のサッカー選手に10年弱関わっていました。

ハイパフォーマンスの小学生や中高生は,障害を我慢して,痛み止めを飲みながらスポーツをやっている子も少なくありません。

そのなかで,よく目にするのは怪我といえば

オスグット・シュラッター病

通称  ”オスグット病”

ちょっとは聞いたことあるとは思います。
小中学生の子どもたちに見られる膝の障害です.

 

オスグッド病について

「オスグッド・シュラッター病」 
1903年にOsgood氏とSchlatter氏によりそれぞれ報告され、成長期スポーツ障害として認識。
「発育期で活発な子供の膝に発生する外傷性の良性障害で膝蓋腱の牽引力による脛骨粗面の剥離とされている。

詳しく言えば,骨の剥離ではなく骨の表面を覆っている「骨膜」の剥離と言ったほうが正しいかもしれません.

 痛みの起こっている部分の原因については,骨膜の剥離とわかっているけど,では

なぜ骨膜が剥がれてしまうか?

 と言うことは,明確にはわかっていません.

よく,大腿四頭筋(ももの前の筋肉)の力によって、引っ張られると言われていますが,これは間違ってはいません.しかし,なぜ大腿四頭筋がそんなにも骨が剥がれるくらい引っ張ってしまう様になったのかは明確ではありません.

 

 

オスグッド病が起こる部分の発育過程

 なぜ,オスグッド病は子供の時代に多いか?

それは,骨が完全に骨になっていないからです

子供の骨は,鶏の軟骨のように柔らかく,そして脆弱です.

そして,徐々に成長期が終わる18歳くらいに成熟し,大人の骨へと変わります.

オスグットの問題は,すねの骨の成熟具合で左右されます.

以下に,オスグットが起こる「すねの全面(脛骨粗面)部」の発育過程をまとめました.

 

脛骨粗面の発達時期にもオスグットとの関連性が見られ、ちょうど学童期の時期が骨が脆弱な時期なのです。

 

 

”オスグッド病“の起こるメカニズム

 ”オスグッド病”は膝(ひざ)を伸ばす筋肉である,”大腿四頭筋“の引っ張る力によって「すねの骨の表面」を剥がし痛みを出している障害と言われている.

この大腿四頭筋は,膝を伸ばすときだけではなく,ジャンプをする時,または着地をする時,走る時,ボールを蹴る時とすべてのスポーツ動作で使われます.

また,ジャンプは体重の何倍もの力がかかるためにとても多くの力がこの部分にかかります.

 

だけど,同じスポーツをやっててもオスグッド病になる子供もいるし,ならない子供もいる.

一番の原因は,どれだけ多くのストレスを同じ部分にかけたか?です。

例えば,サッカーをやっていると,ずっと右脚でばかり蹴っていると,片足ばかりにストレスがかかってしまいます.

※オスグッド病は「軸足」になる場合もあります。「蹴り足」になる場合もあります。

一番の問題は,同じ動きをし続けることです。

 

例えば,直立の姿勢で重心が後方(踵に重心が来る)子がいます。

人間は重心が後方にあると,ももの前面の筋肉が身体が後ろに倒れないように力が入ります。

気になる方が入ればやってみてください。

 

参考

1.直立姿勢をとる

2.姿勢が変わらないようにゆっくりと重心を後ろに移してみる。

3.後ろに倒れそうなギリギリなところで耐える。

結果:ももの前面に力を感じる

 

その後方重心の姿勢が直立の状態でも起こっているということは,歩いている時,走っている時,ジャンプの着地の時,すべての立位動作でももの前面を過度に使うようになってしまいます。

結果的に,負担が集中して筋が硬くなり,骨に影響を起こしてしまいます.

 

脛骨粗面に付着する組織が膝蓋腱ということで大腿四頭筋の柔軟性に注目が置かれています。

 

でも,とくに重要なことはなぜ大腿四頭筋に引っ張られ「過ぎてしまうか」である。

 

身体の使い方は人それぞれです。

ですから,大腿四頭筋が固くなってしまう原因も人それぞれです。

 

冒頭にオスグットが起こってしまう原因が明確ではない。

というのは,人それぞれ身体の使い方が違うから。

というのも証明できない原因になります。

 

しかし,大腿四頭筋が柔らかいに越したことはナイです

原因がわからないにしても,「柔軟性低下によるオスグット発症説」は否定しないほうがよいので、私もまずは子どもたちには柔軟性を口酸っぱく言っています。

 

成長期との関係性

 オスグッド病は,成長期との因果関係も見られています。成長期の中でもピークに成長が見られる時期の前後の1~2年の間にオスグッド病の発症が多く見られています。

急激に身長が伸びるスピードに筋の長さがついていきません.

筋はゴムのような素材ですか,付着部位と付着部位が骨の成長によって遠くなっていくと,ゴムはどんどんと伸ばされ,ぴーんと張った状態になってしまいます.

結果的に,筋の付着部は強い力で引っ張られ,骨の膜を剥がしていきます。

よって、成長期を迎えるに当たり,筋肉に対してストレッチを行うことは重要であり,言い換えれば,成長期が来てからストレッチをし始めたんじゃ遅いってことでもあります。

ということは,U8やU10の世代からストレッチを行い,筋肉を常に柔軟にしておく癖をつけておく必要があります。

 

オスグッド病を予防するためには

 子供をケガから守るためには子供自身の毎日のケアだけではなく、指導者や家族などの障害学習も必要である。

私が子供にいう格言?よく使う言葉として、
3度のメシよりストレッチとよく言います。

それくらい柔軟性は子供には必要ということです。

そして、個々で言う柔軟とは大腿四頭筋に限らず全身の筋肉の柔軟性が必要です。

先程,体験したとおり重心が後方に行くだけで大腿四頭筋は過度に力が必要とされます。

重心が後方に行く理由もたくさんあります。

例えば,足首が硬い。股関節が硬い。など,膝とは一見関係ないところでも,それが原因として,膝に影響を及ぼします

そして,柔軟性だけではなく,筋力も重要です.

反り腰になってしまうと,股関節や膝関節に影響を及ぼします。

猫背になってしまっても,腰に影響を与え,股関節や膝に影響が伝達していまいます。

ですので,綺麗な姿勢を保つことも重要です。

体の使い方の指導や、痛みをとってあげることは病院通院し,理学療法士に見てもらえば修正可能ですが、なかなか現場でそこまで可能な環境が整っているチームも少ないと思います。

だから、まず現場でできることといえば予防がまず大事です

 

それでも,オスグッド病になってしまったら?

ストレッチや筋トレによる予防が大事!

といってはいましたが,だからってオスグッド病にならないとは限りません。

それでは,痛みが出てしまったらどうしたらよいか?

 

ココがポイント

1.痛みを少しでも感じたら2〜3日練習や体育を休む

2.痛みが出てからはストレッチは絶対やってはだめ☓

3.激痛でなければ,温める。激痛なら冷やす(湿布はだめ☓)。

4.それでも痛みがひかなければ,病院に受診する。

 

1.痛みを少しでも感じたら2〜3日練習や体育を休む

 僅かな痛みを感じている段階であれば,数日休むだけで治ることがあります.オスグッドの初期症状では完全に骨が剥がれているわけではないので怪我による炎症が引けば痛みを感じなくなります.

一番ダメなのは,痛みを我慢して運動をやり続けること。

それは,橋の縄が切れそうなのに,人が通り続けていると同じです。

いつ,プッツンと切れ,骨膜が完全に剥がれるかわかりません。

オスグッドは,簡単に言えば骨折と同じです。

骨癒合」するか,もしくは「オスグッドの起こっている部分の引っ張られる力が弱くならない限り」は痛みが引きません。

どんな怪我でも,病気でも早期発見,早期治療が大事です。

オスグッドの早期治療。それは休むことです。

 

2.痛みが出てからはストレッチは絶対やってはだめ☓

 今まで説明したように,オスグッドは大腿四頭筋が脛骨粗面というすねの骨を引っ張る障害です。

大腿四頭筋が脛骨粗面にくっついているので,オスグッドが起こっている膝に大腿四頭筋のストレッチをしたらどうなるでしょう。

ストレッチとは筋肉を伸ばすことです。

筋肉を伸ばすということは,筋肉がタイトになり,くっついている部分が引っ張られる力が加わります。

そうです。

ストレッチをすることで,結果的にオスグッドをひどくしてしまう恐れがあります。

 

ですから,痛みがあるうちは,ストレッチは控えましょう。

まずは,ももの軽いマッサージからはじめて,ストレッチしても痛みがなくなった状態になってから,少しずつ少しずつストレッチをしていくことが重要です。

 

 

3.激痛でなければ,温める。激痛なら冷やす(湿布はだめ☓)。

 怪我をしたら冷やす?怪我をしたら温める?

今でも論争があります。

私から言えば,冷やすも温めるもどちらも正解です。

何故か? それは目的が違うから。

大事なことは,血管をどうしたいか?なのです。

 

怪我をして足が腫れる=血流が増している状態

そして,腫れてるから痛い=血流を減らしてあげれば楽になる。

 

足を治すためには?=障害部位に栄養や治癒物質を行き渡らせる。=血流を増やすことで治癒が早くなる。

 

大事なことは,今のあなたの足をどうしたいか?

痛みを減らしたい?障害部位を治したい?

 

ココがポイント

足が腫れてどうしようもなく痛い場合は“まず冷やす“

痛いけど,黙ってたら大丈夫,早く治したい場合は“温める“

 

 

 

4.それでも痛みがひかなければ,病院に受診する。

 

痛みが現れてしまったのであれば医療機関(病院)に受診することをおすすめする。
(1週間位休んでみたけど,痛みが消えない場合)

ココはダメ

病院選びとしてはただ「休め」や「湿布薬」をもらい「1ケ月後に来て」というような機関はおすすめしない。

「オスグット」はオーバーユース症候群と言われている通り、筋の使いすぎによる脛骨粗面の骨膜剥離が問題とされているが、同じ練習量をこなしているチームの選手なのに“オスグットになってる選手“と”なっていない選手”がいる。

中にはスポーツをやっていないのにオスグットになる子もいる。

大事なのは、「筋が固いから、骨が剥がれているから」ではなく「なぜ筋が硬くなってしまったか、なぜ骨が剥がれてしまったか」
であって、それはただ単に大腿四頭筋が固いからではない

ココが重要

大腿四頭筋(中には大腿筋膜張筋)を使わざる(使いすぎる)を得ない環境や姿勢(後方重心など)や体の使い方になってしまったからなのである。

 

簡単にいえば、マラソンをしていると、
アキレス腱が痛くなる人、すねが痛くなる人、もも前が痛くなる人、もものうしろが痛くなる人、股関節の付け根が痛くなる人、おしりが痛くなる人、背中、おなかが痛くなる人、
人によって痛む部位が様々。

 

頑張って使う場所(筋肉)が、その走り方や体重、性別、年齢によっても様々であること。

 

だから、オスグットになってしまう原因も子供一人一人の姿勢や骨年齢、体格やスポーツの種類過去の怪我、走り方、ボールの蹴り方によって様々であること。

そのため、子供一人ひとりの問題点が異なり治療法も異なる。

 

 

治療に関しては今回は省略します(※省略というか説明しきれない)が、ストレッチだけでは,オスグットにもしなってしまったら治療できません。

↑簡単に書けばこんな感じ。

個別性を考慮し治療を行っていく必要がある。

 

理学療法士は骨をくっつけてあげることは不可能だけど、
骨を引っ張る力を取ることは可能である。

 

結果として、痛みを消失、減弱させることが可能です。

 

しかし,重症化してしまった場合は治療も難渋してしまう。

どんな病気でもそうですよね!

そのため、早期発見し治療を受けることをおすすめします。

休むことで骨がくっつき症状が落ち着くかもしれません。
しかし、引っ張る原因を治療しなければすぐ再発するでしょう。

 

 

 

まとまりのない内容となってしまったが“一番言いたい”のは、

オスグットは軽い簡単な怪我ではありません。
湿布をつけたり練習を休んだからといって治るものでもありません。

しかし、とても”医療機関“や“一般社会“でとても軽視されてしまう疾患です。
それは、他の疾患に比べて緊急性が低いと判断されてしまうからです。

学童期のスポーツ障害は「子供」だけではなく、両親、指導者、医療者が関わるべき問題です。

一人で悩まず相談を。

 

 

私と関わるサッカー選手のオスグット根絶、早期復帰を目標に明日からも診療頑張ります。

〜オスグッド病について〜
北海道少年少女全道選抜大会にて

全道大会で各地の市選抜の子供を300人ほど集めて講演を行いました.

 

お返事が遅れるかもしれませんが,オスグッドに悩むお子さんのご相談も受け付けています

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北海道の理学療法士_カズ

北海道の理学療法士_カズ

EzoReha(蝦夷リハビリテーション)代表。「病院に行かない文化をつくる」がモットー。北海道を中心に理学療法士の知識を医療過疎地、高齢者、スポーツ選手や一般の方々,そして若手の理学療法士に対して発信しています.理学療法士による地域の活性化を図り新たな社会モデルを作ることを目的としています。また,筋膜調整のスペシャリスト・アニマルフローのインストラクターとして活動中!!さらに詳しいプロフィールはこちらから

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