人間の心と体は双方に影響を及ぼし,それは特徴的に発現すると言われています.

私は,昔から徒手療法についての勉強と並行して,心理学や精神医学などにも興味があったため,【クレッチマー】や【シェルドン】といった精神科医の報告がとても興味深かった.

1900年台前半から身体的な個性(身体構造)と性格の間には関連があると言われています. 学生時代に精神医学や心理学の教科書で聞き覚えはあるかと思いますが,エリストン・クレッチマーは精神科医で人の気質を研究していました.著書には『新敏感関係妄想』『ヒステリーの心理学』『体格と性格』『医学的心理学』『精神医学論集』『天才の心理学』等があります.

クレッチマーはパーソナリティの中心は気質であると考え,体型と気質を結びつけた3パターンに人間は分けられると紹介しています.また,シェルドンは人間の身体は3つの胚葉(外胚葉,中胚葉,内胚葉)の成長に由来し,3種の身体的な分類が出来るとしています.人間はそれぞれの胚葉のどれかが胎児の時代やまたは人と人との繋がりの中で胚葉が優位に発達し体型を形成すると報告しています.

そして,その分類された人々には固有の性格や身体的な特徴や自律神経症状,特徴的な身体障害に分けることができます.それは,外胚葉,中胚葉,内胚葉のそれぞれから,臓器や骨格,末梢神経が分化し,それに伴い,各々自律神経(交感神経,副交感神経,腺交感神経)も分化しているために,精神心理的なストレスにより刺激の受ける神経が異なるとされている.そのため,外界に対する身体的な自律神経症状が異なり,ストレスを感知する中枢神経の部位も変化するため,思考や性格も分化された特有の気質を持ちやすくなる.

そこで,今回は私が興味を持っている【心と体の関係性】について書こうかなと思います!この関係性を理解すれば,たちまちあなたは占い師になれます.笑

「マジです!」

私はよく,患者さんの性格や気質で体の不調部位や家族関係を当てたりします.

例えば,「消化器が弱いしょ?」とか,「父親と仲が悪いしょ?」「赤ちゃんの時にめっちゃ溺愛されたでしょ?」など,これは精神心理学を少し応用すれば,理解が可能なのです.患者さんやクライアントを理解するには表面的な情報だけではなく,遺伝子的に細胞的に社会的に滲み出てくるその気質や性質を理解するべきです.

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1.遺伝的素因と心身の特徴

1−1. クレッチマーの3気質

クレッチマーはパーソナリティの中心は気質であると考え,体型と気質を結びつけた3パターンに人間は分けられると紹介しています.その3パターンは以下に説明しています.

① 肥満型または内臓緊張型
腹部や顔面に脂肪が付きやすく,四肢は短いもしくは標準

② 細長型または頭脳型
手足が長く,胸板が薄い

③ 闘志型(筋骨系)または身体緊張型
筋肉質で胸板や肩周りが分厚い(太っていても筋肉質)

これらは人間の生まれ持った気質や体型(いわゆる遺伝子型)により,気質と体型が結び付けられると言われています.そして,各々体型は精神的な機能(いわゆる性状)と関連があると言われている.(数字は上記の体型型の数字と対応)

躁うつ病気質:陽の因子→社交的,親切,温厚,
陰の因子→根暗,秘密主義,寂しがり,自己満足

分裂気質:陽の因子→静か,愛情深い,真面目,
陰の因子→非社交的,束縛

粘着気質:陽の因子→几帳面,集中力,義理堅い,
陰の因子→頑固,手際が悪い,激怒

といった性格的な関連があり,相関があると指摘されています.

振り返ってみると,確かに筋肉質もしくは鍛えるとすぐに筋肉がついてしまう友人には義理堅く,几帳面な人が多い印象です.また,食事を管理しないとすぐに太りやすかったり,する人には社交的で温厚,そして秘密主義者が多いイメージです.そして,完全に私は①の肥満型の躁うつ病気質の性格だと自分でも理解しています.確かにそんな私は胃腸に障害を抱え(食道裂孔ヘルニア,下痢,便秘症,逆流性食道炎など)人間関係の浮き沈みが激しい性格です.

1−2.シェルドンの3胚葉分類

また,【シェルドン】は人間の身体は3つの胚葉(外胚葉,中胚葉,内胚葉)の成長に由来し,3種の身体的な分類が出来るとしており,人間はそれぞれの胚葉のどれかが優位に発達し体型を形成すると言っています

内胚葉型:細胞分裂により消化器及び呼吸器が発達する胚葉,
迷走神経(副交感神経系)

外胚葉型:皮膚や神経,腺の形成に由来する胚葉
横隔神経(腺交感神経系)

中胚葉型:筋及び循環器(心臓,血管)に由来する胚葉
内臓神経(交感神経系)

これらのクレッチマーやシェルドンの報告のように性格や体型は3つの胚葉の分化から発達した器官は各々の神経系で支配されていると言われています.

これらの胚葉分化や気質,体型をまとめると

内胚葉型体型(肥満型:で四肢が身短い構造、リンゴ型ともいわれる)
 ❐躁うつ病気質:陽の因子→社交的,親切,温厚,活発
陰の因子→根暗,秘密主義,寂しがり,気が弱い

お腹に脂肪が付きやすい体型.脂肪と代謝に関わる機能亢進や機能不全を受けやすく,消化器や呼吸器に影響を受けやすい.また,性格は自衛本能(顔色を伺い,長いものに巻かれたり,関わりたくないものを遠ざけたりという防衛本能)などの危機管理が働き柔軟性があり,頭がいい.危機的側面では自衛行動(食と繁殖)を行うことにより,心理的な敵から避けるような行動気質があります.種の繁殖には性的な面と食事の2面の特徴を有する.暴飲暴食をしやすい

外胚葉型体型( 細長型または頭脳型、バナナ型ともいわれる)
❐分裂気質:陽の因子→静か,愛情深い,真面目,
陰の因子→非社交的,束縛,鈍感

四肢が長くが体幹は薄く細い,痩せ型,内分泌腺や甲状腺や性腺などの「腺」に関わる機能亢進や機能不全が起こりやすい.神経系の発達が著しく,種の保存または種の維持の本能が強い.精神的な刺激が多くなると本能的(動物的に)に性の欲求が強くなりやすい(母性や性行動)。集団生活では一見変わり者,空気を読めないと言われがちで性格が読めない人.しかし,生活の中で信頼感が生まれたり,二人っきりになると,愛情深く女性は母性を発揮するなど変化するが,精神的な不調に陥ると,その相手を危機感から束縛をしやすい.ストーカー気質.男性は身内に愛情が強くなりやすい傾向にあり,マザコンなども多い.他人の前になどの社会的な危機的な面では緊張がち.社会生活でのストレスを感じやすく不眠症を患いやすい.

中胚葉型体型(闘志型:筋骨系または身体緊張型、洋ナシ型ともいわれる)
粘着気質:陽の因子→几帳面,集中力,義理堅い,
陰の因子→頑固,手際が悪い,激怒,融通がきかない

筋肉質で胸板や肩周りががっしりとしている体型.筋や骨格,そして循環器(心臓血管)に関わる機能亢進や機能不全を受けやすく,高血圧や頻脈などの循環器系の障害を受けやすい.また,中胚葉はリンパなどの免疫系の支配しているため,アトピー性皮膚炎などの皮膚炎や肌荒れ,吹き出物などができやすい,性格は縄張りや自己肯定感が優勢であり,仲間意識が強く義理堅いが,精神的な不全に陥ると切れやすく横柄な態度を周囲の人に取りだす.パワーハラスメントなどの問題もおこしやすい. リーダ的な存在を示すため一件頭の回転が早いように見られがちだが,几帳面が強く事前準備を入念に行う性格である。実際には,頭の回転が遅く融通がきかないため,説明ベタが多く臨機応変な行動がとれない.人前で講義を行うときなどは,話す内容を暗記し準備通りに喋り,時間どおりに終わらない事などにも不満をためやすい.

2.発達や成長と社会と関わりの中から生まれる心身の変化

クレッチマーやシャルドンの体格特性や胚葉的な特性は遺伝的に生まれながらに備わるものだけではなく,社会や人間関係とのつながりの中で促進や抑制がされるものとなり,その特性は胚葉の遺伝的な要素で得た気質以外の要素が活性される場合もあり,遺伝的な側面と発達的な側面に別の気質,胚葉が刺激され混合型の気質へと精神心理的に成長していきます.

◀ 肥満型,内臓緊張型,内胚葉型への発達や成長

肥満型,内臓緊張型,内胚葉型の促進/抑制因子は消化器系の臓器と関連を持ち「食事に対する本能」に関連する.【飢えの感覚】は心身に不安を感じさせ,また【満腹感】は心身に幸福をもたらす.乳幼児期に発達したこのような不安や幸福は【脳=心】に蓄積し,記録される.

乳児が母親から愛情(母乳)を与えられる環境で発達した場合,【陽:幸福】として正常な心身機能として発達するが,その反対の場合は,乳児は食事に対する危機感から【陰:不幸や不安】が蓄積しながら発達する.そのため,食に対する蓄積機能(脂肪)も発達しやすくなる.脂肪は定期的な頻度や量の摂取により,定期的な代謝が行われることで,脂肪を蓄積しない良好な代謝機能が得られるが,食事が不定期に体に入る場合,定期的な代謝を行うと体が飢餓状態になる場合をおそれ,脂肪に置換し蓄積するようになる.
比較的,内胚葉型は女性に多く,母乳の吸飲力が弱いため,満足の行く栄養摂取が行われなかったなどの要因も考えられる.男児は比較的吸飲力には困らないが,母親の母体の問題などで,母乳が出づらい,などの問題でストレスを蓄積する場合も考えられる.

幼少期に食事に関する危機的な側面を経験し続けると,それは大人の性格【肥満型,内臓緊張型,内胚葉型】が活性化される.それは,内胚葉から分化した迷走神経(副交感神経)に影響を受け脳へ求心性インパルスを送り続けた結果とも解釈できる.

内胚葉型の性格的な特徴は,社交性で長いものに巻かれるタイプ,人の顔色を伺うタイプであり,人間関係を気にすることが多い.「あの人に嫌われているかもしれない。」や「私にイライラした顔をしている。」など顔色を気にするあまり,消化器系の活性化が起こりやすく,胃液の分泌などにより消化器系にダメージを与える傾向にある.そのため,人に嫌われないようにするあまり,明るく振る舞う傾向にあるが自分の内面を隠す傾向にあり,一人になると真逆に根暗になる.心理的な刺激が強くなると,性格に変化が起こり,社交的な性格が裏目に出てしまい,発言や態度が対人に対してトゲが強くなりやすい.躁うつ病とも相関性が強い.

◀ 細長型または頭脳型,外胚葉型への発達や成長

外胚葉は横隔神経横隔神経が胸腺,心膜および腹腔神経節を継続しインパルスの興奮をさせ,恋愛や友情の領域に影響を及ぼし,社会的行動や人間関係の変化に伴い腺に関する活動性亢進の傾向が発現する.胸の高鳴りなどは横隔神経が関与する

皮膚や神経の支配要素が多い外胚葉型は不安は発汗や顔色として体外に表出される.また,前述したように外胚葉型は腺系の機能亢進と抑制を司っている.特に性器はテストステロンやエストロゲンのような内分泌腺や精子や卵子を分泌するような外分泌線が存在する.またそれらは胚(胎児)の状態では副腎や下垂体から発生(細胞分化)したものであるため,発生学的にもそれらに連続しているため様々な内外分泌線と密接な関わりがある.

外胚葉型の機能障害は,愛情や好意,創作意欲などの種の保存の障害となる.そのため,幼少期の両親の離婚や厳しい教育環境に育てられた。親から愛情を注がれなかったなどの要因が蓄積し外胚葉型の陰の性格の形成が行われる.陽の性格形成はその逆であり,両親からの愛情が注がれた子供には良好な外胚葉因子の形成が行われる.また,学童期や青年期には人間関係の構築に作用する.精神心理的な機能障害に陥った場合,多弁に変化をしたり,人間関係の構築がうまく行われない場合,コミュニケーションを取るために人のプライベートに侵略的になるが,自分のプライベートに関しては閉鎖的になる.幼児期であれば,外胚葉の陰性因子は社会生活に苦手意識があるため,集団から孤立し,暴力的になっていきやすいが,人との関わりに対し暴力的になるため,その社会構築の悪循環は侵略的な行動性がます一方で社会から孤立する.
身体的な反応としては,多汗であったり,顔が赤らみやすかったり,緊張で手足の震えや呼吸困難などを起こしやすい。精神的なストレスが増大すると,注目されるような講義や会議の場面で吃り(どもり)などが起こりやすい.

外胚葉型の構成要素は通常,慎重性,愛着性に寄与するが,精神心理の障害を受けた場合はその逆の反応を示し,積極性や無神経,束縛へとつながる.精神病としては,統合失調症との相関が強いと言われている.比較的,読書など一人の世界入れるような趣味を好み感傷に浸りやすい.

 

◀ 闘志型:筋骨系または身体緊張型,中胚葉型

中胚葉型の精神心理構成要素は,縄張り本能である.縄張り本能は幼少期の頃の父親像に影響するとされている.社会に出た父親の姿に対する感情が幼少期の縄張り本能を形成する.幼少期から,父親に対する尊敬の念に関与する.父親との関わりが希薄であったり,家庭で仕事上のストレスや愚痴などを子供の聞こえる場面で話していたりなど,中胚葉的な陰性刺激を起こしやすい.
中胚葉は交感神経である内臓神経との関わりが密接である.自分自身が社会に出た際に,理想的な社会的地位または良好な職場の立場を獲得することが出来た人は,精神的にも自立しており,自分自身を誇りに思っている.しかしながら,社会に出た後自己実現や夢,目標を達成できなかった者や心に強い挫折を感じた場合など,職場環境で起きる不安やストレスの中でも中胚葉型の要素を交感神経系が刺激し,全身性の緊張や循環器系へのストレスを与える.

中胚葉型は基本的に筋骨格系及び循環器系に作用するため,心理的なストレスにさらされた際には,節々の痛み(肩こりやハリ)などレントゲンなどの画像所見に映し出されない身体的な緊張性症状や,自律神経症状としては頻拍や高血圧,顔面蒼白や末梢循環障害などの症状に至りやすい.動物的な部分では縄張り意識が強い闘志型は周囲の協調性を乱したり,自分のテリトリーを侵害されたりした際には爆発的な怒りを発火しやすい.
 性格的な側面では,ものの考え方が回りくどく説明ベタであり,自分の主張を曲げず頑なに意見を主張する.

3.終わりに

今回の心と体の内容はいかがでしたでしょうか?人間は,人間的な脳(大脳新皮質)動物的な原始的な脳(大脳辺縁系)を持ち,動物的な本能的な行動を人間的な脳(理性)によりそれを抑制する,精神的な経験やストレスは脳内に蓄積される.
学習や社会経験から学んだ経験などは人間的な脳により処理され,精神的なストレス欲求が満たされた満足感などは動物的な脳に蓄積する.そのため,精神的なストレスによる反動による行動も,通常人間的な理性によって抑制がされているが,興奮,疾病,アルコール,薬物など理性を崩壊させるものにより,理性が保てなくなる場合,動物的な本能のままに行動(蓄積されたストレス行動)をしやすいそのため,暴飲暴食になってしまったり,衝動的な暴力や性行動を取りやすくなる.その行動パターンも自分に形成された胚葉型により異なる.そのため自分の体格的な気質や身体反応などを把握し,自分の特徴を理解することで動物的な行動を未然に防ぐことが可能である.「あ〜やってしまった。」などとワンナイトな出会いや感情任せに行動してしまう特徴がある方などは今一度,自分のパターンを把握することがおすすめ。

また,理性を強化するためには,人間的な脳を発達させる必要がある.読書や芸術,歴史や一般教養などの学習や経験は人間的な脳を豊かにし,社会常識も保持でき,理性を強化することが出来る.
しかしながら,その行動もストレスに感じてしまえば,精神的なダメージの蓄積となるため,自律神経の調整を行いながら人間脳の成長につなげていただければと思う.

信じるか信じないかはアナタ次第。

執筆者: 北海道の理学療法士_カズ

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