理学療法士の仕事をしていると,いろいろな怪我をしてしまった理由を聞きます.
玄関先,廊下,お風呂…
いろいろな場所がありますが,実は高齢者が転びやすい,意外な場所も存在するのです!
家のリフォームに,模様替えに,親との同居に‥などの参考にしていただければと思います.
意外と多い自宅内での転倒
皆さんは,冬の転倒といえば屋外のイメージが多いのではないでしょうか?
石につまずいたり,雪道で滑ったり‥そんなイメージをするのではないでしょうか?
理学療法士の仕事をしていると,実は自宅内で転倒して骨折する人の方が多い印象にあります.
それでは,自宅内ではどんなところで転んでしまったのか,まとめてみます.
外で転ぶ人は元気な高齢者!?
冬の転倒で代表的なのは雪道や氷でツルッとコケて骨折をしてしまうと言った話をよく聞くのですが,実は冬道で転ぶ人には特徴的な点があります.
冬道で転ぶ人のポイント
- 高齢者だが雪道を歩く自信がある人
- 比較的若めの高齢者が多い(60代後半〜70代)
- 反射神経が残存しているため,手の骨折が多い
雪道で転ぶ人は,雪道を歩く自信がある高齢者が多いです.運動や歩行に比較的自身があるため,骨密度や筋力量も比較的多い方のため,転倒しても骨折をしない場合や反射神経が残存しているため,とっさに手をついてしまい,手首の骨折(撓骨遠位端骨折)をされる方が多い印象にあります.
重度の骨折は自宅内での骨折が多い
豪雪地帯などは運動機能の低い高齢者は雪道での転倒をおそれ,一人で外出をしなくなってしまいます.
そのため,活動量が低下してしまい,筋力や歩行機能が冬の間に日に日に落ちてしまいます.
北海道では11月頃から〜3月末ころまで積雪があるため,約5ケ付きもの間自宅内での生活が余儀なくされてしまいます.
そのため,気が付かないうちに身体機能が落ち,更に転倒リスクが増大してしまうのです.
自宅内で転倒が起こりやすい場所
病院で患者さんにインタビューをしていく中で,転倒してしまった場所を説明していきます.
最も危険な場所「絨毯:じゅうたん」
虚弱高齢者の転倒で最も多い場所は『絨毯』です.『絨毯』床冷えから体を守ってくれる重要な家具なのですが,高齢者にとってはとても危険な場所になりかねません.虚弱高齢者は『フットクリアランス:床面と足裏の隙間の幅』が歩行時に見られなく,すり足のような歩行を行っています.そのため,絨毯の摩擦により足を取られてしまい転倒してしまうとの受傷機転を多く聞きます.
一軒家の転倒で多い『敷居:しきい』
こちらも比較的多い転倒場所の『敷居』.やはり虚弱高齢者は中途半端な段差や引っかかりなどでつまずいてしまう傾向にあります.こんな段差で!?と思ってしまう方も多いかと思いますが,高齢者にとっては大変危険な場所です.
眠り薬(睡眠導入剤)は転倒への黄色信号『夜間のトイレ』
こちらも大変多い転倒理由となっているのが『夜間時のトイレ』です.ご高齢の方は眠りが浅く「眠剤」を処方してもらっている方も多くいらっしゃいます.深夜の時間帯にトイレのために目を覚ましますが,眠剤もまだ聞いているため,体がうまく動かずに転倒してしまったという方も大変多くいらっしゃいます.いっその事,冬の間はリハビリパンツを履いて就寝するのも手かもしれません.
おまけ
自宅での転倒予防にバリアフリーの住宅改修するのは大変です.冬の期間だけ補助具や福祉用具で日曜大工をしてみてはいかがでしょうか?
『段差解消に!』
『椅子に座りながらでも足漕ぎが出来る!』
『座るだけで体幹訓練』
また,EzoReha Labo. メンバーの 北海道の理学療法士 大野大地先生が毎日,自宅で出来る自重エクササイズを投稿しています。
ご自宅で行なう運動としてご両親にお伝え下さい!
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