Health care

二世帯住宅のポイント〜理学療法士の視点〜

こんにちわ。北海道の理学療法士_かず_です。

今回は病院での理学療法士での経験の中でみた,

2世帯住宅されている方々でよく見る怪我をした後の2世帯住宅の失敗例をご紹介します.

 

2世帯住宅なのになんでそんな間取りにしたの?!と理学療法士の観点からみた,上手に2世帯住宅で暮らす方法について書きたいと思います.

 

2世帯住宅=介護がしやすい家というわけではない。

 二世帯住宅を建てる際は、「子世帯から提案する」「親世帯から提案される」という2つのパターンが考えられます。

どちらから提案するにしても,2世帯住宅というものは『子世代』『親世代』お互いの好みの家を建てたいというのは当然だと思います.

『一緒に住んだら、老後も介護してくれるだろう』 『介護が必要になっても施設には入りたくない』

介護をするにしても介護をしやすい家つくり。骨折をして体が不自由になった時のことも考えた家造りをしなければ,せっかくの2世帯住宅を建てたのに,施設で生活しなければならなくなります.

こうした、「将来の介護を期待した二世帯住宅の提案」に対しては、どのような視点で家を造っていけば良いでしょうか?

 

高齢者が自宅で暮らせなく理由を理解しておく

病院で理学療法士として働いていると,怪我をした高齢者の自宅復帰に向けてリハビリをする傍ら,患者さんが自宅で生活を出来るのかどうか?見極めを行っている.その中で,高齢者が家に帰って生活できなくなってしまう理由がある.

同居家族がいる高齢者が自宅で生活ができなくなってしまう理由

  1. 一人でトイレにいけなくなる
  2. 一人での移動が困難である.

特にこの2点が,同居家族がいる高齢者が自宅で暮らせなくなってしまう理由になる.

トイレがいけなくなり,移動が困難になってしまうと,同居家族も仕事や買い物に自分の親をおいていけなくなってしまいます.

だから,我々理学療法士は同居家族がいる高齢者に対するリハビリにはこの2点が獲得できることを目指しています.

 

PT学生
あれ?階段とかは問題になりませんか?
良い質問だね。確かに階段ができるに越したことはないけど,階段は絶対一人でできなければいけないことではないんだ.階段という動作はとても難しい動作だから,これを獲得するまで待っていると入院期間が足りなかったり,入院が長くなることで,認知症が進んでしまったりもします.だから,独居老人ではない限りは階段動作は脇を抱えてもらって登れる程度になればお家に帰るべきだし,おそらく医療側から帰されてしまいます.
PTカズ

※患者さんの年齢や身体能力にもよります.

 

私が見た,えっ?どうしてそうなる?2世帯住宅。

私が今まで見た,なんでそんな2世帯にしたの?を紹介

 

ココがダメ

え?なんで?両親2階,息子夫婦が1階の2世帯住宅

お風呂もトイレも2階にあるのですが,両親の家が2階にあるため,外出のたびに子供の階段の介護が必要。
一人で外出をさせないためか?!と思わせるような末恐ろしい家でした。
結局,退院前に1階を両親の部屋に帰るために大リフォームを行いました.

 

ココがダメ

え?なんで?トイレはあるけど,お風呂は2階?お風呂のたびに2階へと重労働なお家

先程の項目で書いたとおり,階段を病院で獲得(自立)できるかどうかはわかりません.獲得できないものは家族が補うしかありません.

 

 

私がおすすめする2世帯住宅のカタチ

理学療法士の視点で色々な2世帯住宅のカタチを見てきた中で,スムーズな退院が進められそうな2世帯住宅のカタチを説明します.

 

先程の項目にありましたが,2世帯住宅で重要になってくることは,

トイレ

入浴

階段

です.

障害を負った高齢者が『トイレ』を自分で行ける環境を整えて,『階段を極力使わず』に,『お風呂に入れる環境』を作れることです.

だからこそ,2世帯住宅で暮らしていく場合は,ご両親を1階に住まわせることは最低限重要と考えます.そして,トイレは1Fと2Fに一つずつ設置したほうが良いかと思います,それが困難なあれば最低限1Fにトイレを設置することをおすすめします.

お風呂に関しては,可能であれば1Fに設置したほうが良いかと思いますが,そもそものお風呂の介護自体を介護保険を用いてサービスを利用することも可能です.元気なときにはわからないかと思いますが,2世帯住宅をお考えの場合は両親が怪我をした時の事を想像しながら,部屋割りやトイレやお風呂の場所を考えることも必要かと思います.

 

まとめ

  1. 2世帯住宅を建てる場合は親に介護が必要になった時の事を想像するべき.
  2. 介護が必要な方は,1Fに住むカタチにしたほうが退院支援をしやすい.
  3. トイレ,お風呂,階段の使い方をイメージするべし!

以上,理学療法士の視点から見た2世帯住宅のカタチでした!

 

 

 

 

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北海道の理学療法士_カズ

株式会社EzoReha(エゾリハ)代表取締役。「病院に行かない文化をつくる」がモットー。理学療法士の国家資格を取得後,札幌市内総合病院に12年間勤務しながら,大学院進学やイタリアへの理学療法士の技術を学ぶために短期留学,そして、現在では筋膜治療のスペシャリストとして全国各地から指導の依頼を受けている。2020年から株式会社EzoRehaを設立し、北海道を中心に理学療法士の知識を医療過疎地、高齢者、スポーツ選手や一般の方々に対して発信しています.理学療法士による地域の活性化を図り新たな社会モデルを作ることを目的としています。さらに詳しいプロフィールはこちらから

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