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若手セラピストに伝えたいこと

おはようございます

筋膜研究家 兼 北海道の筋膜調整セラピスト

北海道の理学療法士_カズ です。

今年の2月,若手のセラピストが多数在籍する姉妹病院に現場指導者として出向してきました.

その先の若手セラピストに

「カズさんってどんな風に勉強をしてきたのですか?」

「普段どんな事を考えて人生設計してるのですか?」

なかなか深い質問をされるので、自分の「理学療法士人生」をどの様に考えてきたか?を

書いてみたいと思います。


 

若手セラピストに伝えたい事

 

01.治療手技よりも【解剖】【運動学】【生理学】の意味を知る。

患者さんの問題は,運動学的,解剖学的な欠陥が機械的な刺激として受容し「痛み」「痺れ」などの症状として表出されます。

また,組織的な欠陥は病理学的説明される。

理学療法士はそれらの欠陥に対し「生理学」を用いて治療を行うため,特別な治療手技を学ばなくともこれらの学生時代に習う「基礎学問」を良く学べば評価が治療が可能なのです。

02.良き「メンター」を見つける。

良き、理学療法士になるためには良きメンターが必要。

メンターがいない環境でコツコツ学ぶことは出来るが,やはり自分の行動が正しいか?

また,自分の立ち位置(下の方なのか?上の方なのか?)

を確認して貰える。

でも,一番は背中を追って共に走れるのが良いところ。

しかし、同じメンターを追い続ければ徐々に追いつくこともあると思う。

その時は,次の目標を直ぐに見つけるべき。

03.どんなに良い治療が出来ても、系統立てた評価をしないと意味がない。

若手のセラピストは結果を求めるあまり,治療ベースの講習会に行きたがる傾向にある。

いくら効果的な治療を学んだとはいえ,どの様な評価結果をもとにその治療を使うのか?を考えなければ、それは「下手な鉄砲も数撃てば当たる。」

治療をいっぱい学ぶことも重要だが,いちばん重要なのはその治療を行う理由を説明できること。

04.すべての組織を治療できる引き出しを用意しておくべき。

最近のセラピストは「筋膜ブーム」や「トレーニングブーム」「関節治療」など,ある1つの組織にのみ特化して治療をしている傾向にある。そのため,評価結果に関しても自分が得意な「組織」に行き着くように評価している傾向にある。

「筋膜が得意な人は→筋膜が固いから」

「筋トレが得意な人は→運動不足だから」

「腰が痛い人は腹筋が弱いから」

「肩が痛い人は腱板筋が弱いから」

‥・。

人の体の問題は各々の組織で起こる。

その問題は同じ診断名でも10人10色

だから理学療法士は1種類でもいいから,各組織を治療できる引き出しを持っておくべきだ。

皮膚→〜手技

脂肪→〜手技

筋膜→〜手技

筋肉→〜手技

靱帯→〜手技

関節→〜手技

リンパ→〜手技

中枢神経系→〜手技

etc..

自分が若手セラピストの時代は,この様に

各組織の治療が出来るように各々の組織の治療の仕方を学んだ。

しかし、その前に系統立ててどの組織が問題なのか?を調べるための

「評価学」は今でも学んでいる

05.経験年数や年齢というものは時間経過にすぎない

日本人の特徴として,経験年数や年齢を気にする傾向にある。

「年長者を敬う」ことは良い文化であるが、あくまでも

年齢や経験年数は「時間の経過」にすぎない。

経験年数や年齢は

「飯を食い」「寝る」

これだけで増えていく。

大事なのは「時間の量」ではなく「時間の内容(質)」

経過している時間の中で何をしていたか?

だから私は、年上でも年下でも尊敬に値する人は尊敬する

 

06.学ぶ前に先ずは歴史を調べるべき

理学療法士の治療には無数の手技が存在する。

中には敵対をしたり、否定をしたり。

しかし、歴史を紐解いてみると意外と関連は多い。

徒手療法に関して言えば

・メイトランド

・カルテンボーン

・パリス

・マッケンジー

・マリガン

・オステオパス

..etc

色々なコンセプトが存在する。

しかしながら、元をたどればすべて1つの流派に行き着く。

そう。起源は一緒なのだ。

下々の者は敵対しているかもしれないが,意外と創始者は友人だったりする場合もある。

「筋膜マニピュレーションのルイジ・ステッコ」と「アナトミートレインのトマスマイヤーズ」は

一緒に筋膜の研究をしている。

「筋膜マニピュレーションのルイジ・ステッコ」と「認知運動療法のペルフェッティ」は

同じ大学の先輩後輩の関係だったりもする。

意外と歴史を調べてみればつながる事が多い。

しかし、日本の勉強会団体はお金稼ぎ目当てで勉強会を開いている団体が多い。

しっかりとその講師の経歴や団体の歴史を調べてみれば信じて良いものかどうかが見えてくる。

07.「常に」井の中の蛙であることを意識する。

人間は常に同じ環境に身を置くと自分が偉大になったかのように勘違いしていしまう。

いわゆる「井の中の蛙大海を知らず」

自分も理学療法士4年目の時だったか。

自分は臨床2年目から北海道のサッカー選抜の専属トレーナーをしていた。

そのせいもあり,天狗になっていた時期があった。

自分の仕事大きく見せるために

それについて学会発表をしたりもした。

聴講していたセラピストたちは

「どうしたらサッカーの仕事ができますか?」

「一緒に仕事をさせて頂けませんか?」

など言われることが多かった。

当時の自分は怖いもの知らずだった(若いがゆえの)。

その勢いのまま、全国の学会発表に行った。

結果は<案の定の返り討ち>

ある一部の地域からはすごい事をしているかもしれないが、

日本全国を見渡してみれば、些細なこと。

しかし、それに気がついたことは一番の収穫だった。

日本の大きさを知ることができた。

大きさを知ることで目標が出来た。

日本の大きさを知ると

世界の大きさを知りたくなった。

案の定の返り討ちにあった。

しかし、世界の大きさを知ることが出来た。

経験を通して,若手セラピストに伝えれること。

上には上がいるということ。

08.常に情報は最先端のものを

医療業界の研究は日々移り変わるもの

昨年まで良いとされてたものが,今年からダメと言われる場合があり、

またその逆もある。

常に、知識に関して最先端の情報を持ち続けることが重要。

特に日本は他国よりも2〜3年医療に関する情報が遅い。

良い洋書の本も翻訳されて校正されて日本語訳の本が販売されるまで

最低でも2年はかかる。

日本人の情報はそれだけ遅い。

世界の最新を追い求めるべき。

09.得意分野を公言している者は苦手分野を公言するのと同じ

理学療法士は医者とは違い

全身の関節を評価出来なければならない。

動作というものは単関節では語れないからだ。

巷では、膝のスペシャリスト

肩のスペシャリストなどといった

ある単関節において得意分野を公言している人がいる。

理学療法士は全身が見れないといけない

膝の関節は股関節と足関節の影響を受ける。

その股関節は仙腸関節や腰椎の影響を受け

腰椎は胸椎や頚椎の影響を受ける

頚椎は頭部や肩,肩甲帯に影響を与え

肩は鎖骨や胸骨、肘からも影響を受ける。

肘は手関節や指からの影響を受ける。

結果的に膝を治療する時に首を見なければいけないときだってある。

結果的に理学療法士は全身を見れないといけない。

11.「夢を語る人」と「目標を語る人」を見極める

夢追い人には2種類の人間がいる。

「夢を語る人」と「目標を語る人」

前者は

「いつかこうなりたい!」「将来こうなりたい!」

という夢を持ち,

夢に向かって辺り構わず、勉強や講習に参加する。

しかし、夢に近づいているのかがわからない。

「夢に向かって何をしているの?」と聞くと,

とりあえず,知識を増やしたいと言う。

後者は

「3年後こうなる!」「5年後こうなる!」など

明確な目標設定をおこなっており、

目標達成に向け、それに関連のある学びを行う。

「夢は幻であり、目標は未来である。」

「未来は自分の今を変える。」

理学療法士なら解るはず。

患者を治療する際に

「目標設定:ゴール設定」を行う、そしてその「目標」に対し

「問題点抽出」行ない、

それに対し「治療プログラムを立案」し「治療」を行う。

人生も同じ。

自分の目標に対し、

「問題点の抽出」をおこない

「学習プラン:人生設計を立案」し

「実行に移す。」

「目標は未来である。」

「夢を語るのではなく、目標を語るべき。」

12.お金をかけることを恐れない

給料も勉強してない人と変わらないんだから、そんなに勉強にお金をかけるのは

生産性が悪いと口にする若手セラピストが多い。

確かにそうかもしれない。

しかし、私は若手セラピスト時代は講習会や研修会に

お金をかけることを恐れてはいけないと思う。

確かに、病院をサラリーマン理学療法士として考えれば

研修にいくら行ったって給料は変わらない。

しかし、一個人の理学療法士を成長させると考えれば、得られるものは多くある。

それは、知識はさることながら

人徳もそうであるし,体験という価値が得られる。

私は若い時代からたくさんのお金をかけ、研修に行っている。

その研修費はとりかえせていないと思う。

しかし、たかが札幌の専門学校卒の理学療法士「カズ」

が日本中の理学療法士の友人が出来、

世界中の理学療法士の友人がいることは現実である。

そして、その友人達から多くの情報や知識を得ることが出来、

時には仕事をいただけることもある。

目の前のお金は大切かもしれない。

しかし、研修会にもお金をかけないで今の生活を続けたとしても、

10年後の現状は変わるだろうか?

あくまでも,研修は将来の自分への投資。

必ず取り返せる。

13.感謝を忘れない

成功には必ず、誰かの犠牲が伴う。

あなたの成功の裏に必ず誰かの負担がある。

家族や子供、同僚

あなたが活躍するほどに犠牲になっている人が居ることを忘れてはいけない。

14.変化を恐れない

新しいことを始めることに必ず失敗はつきもの。

どんな先輩と話をしても、やって後悔した人よりも

やらなかったことに後悔した人が多い。

もしあなたに、背負うものが少ないのであれば

考える前にまず行動を起こすべき。

きっとなんとかなる。


 

 

 

以上。

若手セラピスト時代?

自分が若い時代から意識していた事を書きました。

新しいことや前例の無いことを行うと

必ず、変化を怖がる長老セラピストから小言を言われたり

出る杭を打とうとします。

 

過去の成功者を見ていると,どんな人もはじめは

批判を受けているものです。

しかし、時代があなたに追いつけば

そんな批判も称賛に変わります。

 

私も昔はこのブログを書くだけでも

多くの長老セラピストから

批判を受けました。

 

しかし、13年も続けていると

時代は私に追いつきました。

今では道外の研修に行くと

「先生のブログ昔から見てます!」

と言っていただける様になりました。

13年もブログを書き続けている理学療法士なんて日本にそうそういないでしょう。

 

でも,今では多くのセラピストたちがブログを書いて

自分を発信します。

SNSを煙たがっていた長老セラピスト達も

Facebookをはじめる時代となりました。

 

 

自分が大事だと思っているなら

どんな向かい風が来たとしても

屈せず頑張って下さい。

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北海道の理学療法士_カズ

株式会社EzoReha(エゾリハ)代表取締役。「病院に行かない文化をつくる」がモットー。理学療法士の国家資格を取得後,札幌市内総合病院に12年間勤務しながら,大学院進学やイタリアへの理学療法士の技術を学ぶために短期留学,そして、現在では筋膜治療のスペシャリストとして全国各地から指導の依頼を受けている。2020年から株式会社EzoRehaを設立し、北海道を中心に理学療法士の知識を医療過疎地、高齢者、スポーツ選手や一般の方々に対して発信しています.理学療法士による地域の活性化を図り新たな社会モデルを作ることを目的としています。さらに詳しいプロフィールはこちらから

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